ヤマブシタケ(山伏茸)は、日本には少ないサンゴハリタケ科のキノコで、学術名はHericium
erinaceumといいます。分布は中国、欧米、北アフリカと広範囲にわたり、クヌギ、クルミ、椎の木などの広葉樹の樹幹や切り株に着生しますが野生のものを見つけるのは容易ではありません。

木材腐朽菌ですから着生した樹木の栄養分を吸収して枯らしてしまいます。山伏が着る篠懸衣(すずかけごろも)の胸につける飾りに似ているところから、日本では一般にヤマブシタケと呼ばれています。この他、ジョウゴタケ(漏斗茸)、ハリセンボン(針千本)など、ユニークな形状から様々な名前をつけられています。生のヤマブシタケは直径5〜10cmの球形で、長さ1〜5cmの針を全面から垂らし、初めは白色ですがしだいに淡黄色から茶色みを帯びてきます。中国では熊の手、ナマコ、フカヒレとともに四大山海珍味に数えられ、猴頭茹(Houtoukuu)の名で知られています。また、古くから薬膳料理などに用いる健康食材として珍重されてきました。
このキノコは、中国の陸上選手たち(馬軍団)が、冬虫夏草とヤマブシタケ入りの特製ドリンクを飲み快記録を続出させたことで知られるようになりました。
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